クロモリ ロードバイクのススメ~クロモリロードのメリット4選~

初めに

ロードバイクの素材として現在の主流は間違いなくカーボンです。あまりにも当たり前過ぎてあらためて申し上げることもはばかられます。
一昔前ならカーボン=超高級品でプロが使用する高嶺の花といったイメージがありましたが、今ではエントリーモデルにも広く採用され販売されています。
2000年代中盤までは、プロのレースでも硬い乗り味が好みという選手が一定数存在して、アルミのバイクを駆ってクラシックレースやグランツールを走る姿も珍しくはありませんでした。

イタリアのフィリッポ・ポッツァートというツール・ド・フランス、ステージ通算2勝、ミラノ-サンレモ2006優勝等の華々しい成績を残した、当時のスター選手の一人がいます。
私の記憶が確かならば、そのポッツァートは一時、レースでパイプを角形に加工したRIDLEYのアルミフレームを使用していました。そのフレームはエントリーグレードで完成車価格が10万円台のものだったと思います。

ただ現在プロのレースでアルミのバイクを見ることはありません。
ただ単純に軽くて、振動吸収に優れているからというよりは、フレーム設計の自由度が高く、空気抵抗を抑えながら剛性のバランスを調整して成型することができるというところが大きな理由ではないかと思います。

ただ単純に、「カーボンで作れるのにわざわざアルミで作らなくてもいいじゃん、開発費用も余計にかかるし。」という理由かもしれませんが。
エアロロードと呼ばれるバイクのハイエンドモデルはケーブルもすべてハンドル、ステムやフレームに内蔵されているものがほとんどです。シビアなレースシーンではわずかな空気抵抗を削減してコンマ1秒を競う必要があるからでしょう。

ちなみに私の愛車の素材はクロモリです。アルミやカーボンに比べて重量は当然重いです。でもそこがいい!というわけではありませんが、間違ってもレースに出場することがない私の自転車の選択としてはベストだと思っています。
ということで、いささか唐突ではありますが、今回のブログではクロモリロードバイクについて私が思うメリット等をご紹介したいと思います。

クロモリとは

そもそもクロモリという言葉はよく耳にしますが、どういった素材かといいますと、鉄にわずかなクロムとモリブデン等を添加した低合金鋼の一種で、いわゆる普通の鉄に比べて強度と硬度が高くなるそうです。雑種の犬や雑草のほうが強いような感覚でしょうか。また、サビにも強くなり、弾性があって加工しやすいという特徴もあります。
また、一言でクロモリといってもクロムとモリブデンに加えてニッケルが混ざっている物があったり、焼入れされているものがあったり、パイプが厚いものから極薄のもの、ただの丸形、楕円形状等様々な物があります。溶接の際に過度の熱が加わる事により、軟化してそもそもの素材の特性が損なわれてしまうことがありますが、熱を加えた部分の破断強度が上がる特性をもつパイプもあります。
各素材メーカーのクロモリパイプについて、特徴をまとめたBICYCLE CLUBさんのページがございます。ご興味がある方はぜひ御覧ください。

ロードバイク|現行スチールパイプカタログ -TANGE & KAISEI-

ロードバイク|現行スチールパイプカタログ -REYNOLDS & COLUMBUS-

クロモリのメリット

私が感じたり、お客様から伺ったりしたことがあるクロモリのメリットをいくつか紹介したいと思います。

乗り味がマイルド

一般的にもよく紹介されていることだと思いますが、クロモリは適度なしなりで路面からの振動を吸収してくれるため、乗り味がマイルドに感じられます。
「200kmを超えるロングライドでも最後まである程度余裕をもって完走できた。」「翌日にあまり疲れを残さず仕事ができた。」といったお声をお客様から頂戴したことがあります。
また、振動吸収性から考えるとカーボンバイクも同じかそれ以上のことが期待できますが、「同じコースをカーボンバイクで走った際は、前半の体がフレッシュな状態の時はスピードも出るし気持ちよくグイグイ進む事ができるけど、終盤になるにつれて足がなくなって、最後はヘロヘロになってやっとの思いで帰ってきた。」というお話も伺ったことがあります。

高性能なカーボンバイクは、自分の実力以上の力を引き出してくれる優れた機材ではありますが、意図しないうちに力を引き出されてしまうような側面もあり、最後にしんどくなってしまうということもあるようです。クロモリバイクのマイルドな乗り味というのは、乗り手に寄り添ってくれるような感覚でしょうか。
さらに、オーダーバイクであれば様々なパイプの中から自分の脚力や使用目的から最適なものを選ぶことも可能です。自分にとって心地の良い乗り心地や剛性感を狙ってオーダーする楽しみもあります。

見た目


クロモリバイクでは細身のパイプを使ってトップチューブと地面が平行になるホリゾンタル形状が採用されることがほとんどです。最近のカーボンやアルミのバイクで採用されることは、剛性向上、軽量化、低重心化、工業製品として生産効率化の観点からゼロといってもいい形状です。その伝統的なスタイルが根強い人気の一番の理由ではないかと思っています。ライドイベントに参加したら、クロモリバイクに乗っている人がほぼ皆無でめちゃくちゃ目立って、色々な人に話しかけられたという経験が私にもあります。

丈夫

雑に扱ったり、落車してしまっても割れることはありません。凹むことはあっても、折れることもありません。そもそも、雑に扱うなよと言われればその通りなのですが…

修理ができる

自転車で世界一周をするという方がいらっしゃいました。その方は肉厚のクロモリパイプを使って見るからに丈夫そうなオーダーバイクで世界一周の旅に出られました。
それでも道中、不測の事故でフレームが折れてしまったそうです。カーボンバイクであればこの時点で完全にアウト。旅は強制終了です。

クロモリは低合金鋼と言っても鉄は鉄なので、中米のどこかの町の鍛冶屋さんに溶接してもらって旅を続けることができたそうです。
また帰国後、応急処置でとにかく繋がればいいといった無骨な溶接で繋いだパイプは、ビルダーさんにラグから外して新たなパイプに入れ替えてもらって、さらに再塗装もして新品同様になっていました。

カーボンやアルミも専門の業者に依頼すれば、修理可能です。ただし、「世界中どこでも」というわけにはいきませんし、できる業者も限られています。また、あくまでも補修であって新しいものに入れ替えるということはできません。

さらに、こんな方もいらっしゃいました。古いピストフレームに38cくらいの太めのタイヤを入れたいからフレームを修理してもらったそうです。
修理内容としてはチェーンステーのBB側を潰し加工をして拡げて、シートステーのブリッジの位置を変更することで対応するといったものです。強引といえば強引な加工ですがそんなこともできるのかと感心しました。1つのフレームを弄りたおして楽しみ方を変えていくことができることも魅力ではないでしょうか。

以上が私の考えるクロモリバイクのメリットです。

と思ったのですが、最後に、もう一つ。
冒頭で私の自転車選択としてベストだと思うと述べた理由なのですが、「のんびり走っても様になる。」これです。
カーボンでエアロでマッチョなバイクではそうはいきません。

街乗りカスタム

最後に、今ではほぼ普段の街乗りにしか使うことのない私のクロモリバイクをカスタムの一例としてご紹介させていただきたいと思います。


ハンドルはマウンテンドロップ的なワイドなものにしています。フラットバー的に使いながらちょっと前傾姿勢も取れる感じがいいのと、ドロップハンドルなのにちゃんと前かごを付けられるのがグッドなポイントです。ただし、サイズを間違って購入してしまったので、想定よりも窮屈です。ブレーキレバーもワイヤー上出しタイプにして、干渉させずに大量の買い物袋を載せられるようにしています。

フロントシングルです。リアの変速しかないので楽ちんです。RACE FACEのナローワイドリングは見た目もいいのにお手頃価格なので大好きです。

変速レバーは11s用のインデックスWレバーがないので代わりにバーコンのレバーをつけています。ちゃんと動きます。街乗りでは頻繁に変速しないのでSTIレバーでなくても十分です。軽量化にもなります。昔、ランスアームストロングが山岳ステージで、フロントだけWレバーに変更していた感覚です。
ちなみにフロント用のWレバー台座は、修理と再塗装をしてもらった際に取ってもらいました。

リア変速は11-42Tのスプロケットを入れています。自宅が結構急な坂の上にあるので、より楽をするためにこのギアに入れ替えました。最初は軽過ぎるくらい軽く漕げて浮遊感さえ感じられましたが、今では足が慣れたのか衰えたのか普通です。

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